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饒舌映画ブログ

誰もが、映画をめぐってひたすら饒舌であったときの快楽を知っている。同時に、その果てに待ち受けている徒労の実感をも体験している。映画によって言葉を根こそぎ奪われた瞬間の無上の甘美さをたぶん、あなたは知っているだろう。そして、その沈黙にいつまでも耐え続けることの息苦しさをも知っているに違いない。欠語と饒舌のいずれを選ぼうとも、救われたためしなどかつてありはしなかったのだ。――『リュミエール』誌 《創刊の辞》より

ESSENTIAL (CLASSIC)

エリック・ロメール監督『海辺のポーリーヌ』

『海辺のポーリーヌ』(Pauline à la plage, 1983)エリック・ロメール エリック・ロメールの僥倖とも言えるレトロスペクティブ、ただいま全国を巡業中の特集上映《ロメールと女たち》に行ってきた。 個人的にはこれまで、なんとなくフランス映画の恋愛至上…

橋口亮輔監督『ハッシュ!』

『ハッシュ!』(Hush!, 2001) 橋口亮輔 「普通の」とか、「中流の」とか言われる失敗しない生き方がまだモデル的な人生として残っているとしたら、橋口監督が描く「教科書に載っていない人生」を模索する人びとは、それを見下してもいなければ嫉んでもいな…

橋口亮輔監督『渚のシンドバッド』

『渚のシンドバッド』(Like Grains of Sand, 1995) 橋口亮輔 シークエンスが切り替わり、さあ物語の行方はどうなるのだと先走るわれわれを突き放すかのように、視界の端に光の存在を認めながらも、カメラは意図的にその光源からは逸らされ、判別不能な暗闇…

クリント・イーストウッド監督『荒野のストレンジャー』

『荒野のストレンジャー』(High Plains Drifter, 1973) クリント・イーストウッド これはとにかく、凄まじい作品である。脚本を書いたのは、ブラックスプロイテーションの代名詞ともいえる『黒いジャガー』シリーズのアーネスト・タイディマンという人らし…

モンテ・ヘルマン監督『旋風の中に馬を進めろ』『銃撃』

『旋風の中に馬を進めろ』(Ride in the Whirlwind, 1966) モンテ・ヘルマン *** 『銃撃』(The Shooting, 1967) モンテ・ヘルマン モンテ・ヘルマン監督の初期の西部劇、『旋風の中に馬を進めろ』と『銃撃』は、1本あたり7万5千ドルという過酷な予算で…

ニコラス・レイ監督『大砂塵』

『大砂塵』(Johnny Guitar, 1954) ニコラス・レイ ニコラス・レイの『大砂塵』という映画が、歴史に残る傑作であることに疑いの余地はないのだが、しかし、果たしてそれが「西部劇の傑作」なのかと問われれば、さきほどまでの自信はたちまち消え去ってしま…