饒舌映画ブログ

誰もが、映画をめぐってひたすら饒舌であったときの快楽を知っている。同時に、その果てに待ち受けている徒労の実感をも体験している。映画によって言葉を根こそぎ奪われた瞬間の無上の甘美さをたぶん、あなたは知っているだろう。そして、その沈黙にいつまでも耐え続けることの息苦しさをも知っているに違いない。欠語と饒舌のいずれを選ぼうとも、救われたためしなどかつてありはしなかったのだ。――『リュミエール』誌 《創刊の辞》より

1970s

モンテ・ヘルマン監督『コックファイター』(Review)

『コックファイター』(Cockfighter, 1974)モンテ・ヘルマン 例えば、鶏の眼球周辺を中心に据えたクローズアップが不意に画面を覆う時。例えば、狭苦しい競技場の中で鶏が羽をバタつかせながら戦っている光景が、無造作に画面に映し出される時。例えば、山…

メル・ブルックス監督『ブレージングサドル』(Review)

『ブレージングサドル』(Blazing Saddles, 1974) メル・ブルックス 思わず「こ・れ・は・ひ・ど・い」の一言で終わりにしたくなる、西部劇×ミュージカル×ブラックスプロイテーションという掛け合わせの異色作である。クエンティン・タランティーノの『ジャ…

クリント・イーストウッド監督『荒野のストレンジャー』

『荒野のストレンジャー』(High Plains Drifter, 1973) クリント・イーストウッド これはとにかく、凄まじい作品である。脚本を書いたのは、ブラックスプロイテーションの代名詞ともいえる『黒いジャガー』シリーズのアーネスト・タイディマンという人らし…

バート・ケネディ監督『女ガンマン・皆殺しのメロディ』(Review)

『女ガンマン・皆殺しのメロディ』(Hannie Caulder, 1971) バート・ケネディ ともすればタランティーノの『ビルを殺せ』の主たるネタ元として面白半分で評価されているかに思える、紛れもなく「B級西部劇」であるこの映画が、それでもなお「映画」たり得…