饒舌映画ブログ

誰もが、映画をめぐってひたすら饒舌であったときの快楽を知っている。同時に、その果てに待ち受けている徒労の実感をも体験している。映画によって言葉を根こそぎ奪われた瞬間の無上の甘美さをたぶん、あなたは知っているだろう。そして、その沈黙にいつまでも耐え続けることの息苦しさをも知っているに違いない。欠語と饒舌のいずれを選ぼうとも、救われたためしなどかつてありはしなかったのだ。――『リュミエール』誌 《創刊の辞》より

デヴィッド・マッケンジー

デヴィッド・マッケンジー監督『名もなき塀の中の王』

『名もなき塀の中の王』(Starred Up, 2013)デヴィッド・マッケンジー タイトなリアリズムの筆致に思わず息を飲み、暴力で痛めつけられ、血で汚れていく男たちの身体、そして顔を見つめていると、いつの間にか映画は終わってしまった。というか、自分が映画…