饒舌映画ブログ

誰もが、映画をめぐってひたすら饒舌であったときの快楽を知っている。同時に、その果てに待ち受けている徒労の実感をも体験している。映画によって言葉を根こそぎ奪われた瞬間の無上の甘美さをたぶん、あなたは知っているだろう。そして、その沈黙にいつまでも耐え続けることの息苦しさをも知っているに違いない。欠語と饒舌のいずれを選ぼうとも、救われたためしなどかつてありはしなかったのだ。――『リュミエール』誌 《創刊の辞》より

デミアン・チャゼル

2015年の映画 年間ベスト・リスト

海外メディアによる映画の年間ベストは、音楽の年間ベストほど役には立たない。正確に言うなら、音楽の年間ベストほど「すぐには」役には立たない。 当たり前のことを当たり前に指摘しておくが、海外の映画であれば、そもそも日本の劇場に輸入されるまでのタ…

デミアン・チャゼル監督『セッション』

『セッション』(Whiplash, 2014) デミアン・チャゼル 星野源だの福山雅治だの、あるいは売り出し中の無味乾燥なギター・ロック・バンドのベーシストなんかを「変態」と呼ぶ文化には苦笑すら浮かべられぬような人間からすれば、この『セッション』(Whiplas…

テン年代の映画 ベスト・リスト(2010-2014年)

ゼロ年代のベスト・リストが大変なご好評をいただいた。 では、一方で、テン年代はどうなのだろう。ゼロ年代に決定的に進行した状況の細分化や興味の拡散がきれいに収束した、などという話は聞いたことがない。われわれの日常生活や、あるいは身体性にまで深…