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饒舌映画ブログ

誰もが、映画をめぐってひたすら饒舌であったときの快楽を知っている。同時に、その果てに待ち受けている徒労の実感をも体験している。映画によって言葉を根こそぎ奪われた瞬間の無上の甘美さをたぶん、あなたは知っているだろう。そして、その沈黙にいつまでも耐え続けることの息苦しさをも知っているに違いない。欠語と饒舌のいずれを選ぼうとも、救われたためしなどかつてありはしなかったのだ。――『リュミエール』誌 《創刊の辞》より

バイロン・ハワード/リッチ・ムーア監督『ズートピア』

『ズートピア』(Zootopia, 2016)バイロン・ハワード/リッチ・ムーア 仮にも先進国に生きる人々が、21世紀になっても(主に人種の違いに基づく)差別の問題でグズグズになっているとは夢にも思わなかった・・・・と、優等生的なため息をもっともらしくついてみ…

ジョージ・ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(Mad Max: Fury Road, 2015) ジョージ・ミラー 6月27日に劇場で観て以来、改めてこの『マッドマックス 怒りのデス・ロード』をソフトで再見して思ったのは、これはジョージ・ミラーにとっての「完全映画」なのではない…

是枝裕和監督『海街diary』

『海街diary』(Our Little Sister, 2015) 是枝裕和 ある男の「不在」を共有することで立ち上がる物語であるにも関わらず、是枝裕和の新作『海街diary』において、その男のかつての姿を写真で確かめようとする者は誰一人としていない(唯一、父の記憶をほと…

リー・ダニエルズ監督『プレシャス』

『プレシャス』(Precious: Based on the Novel "Push" By Sapphire, 2009)リー・ダニエルズ 貧困、家庭内暴力、近親相姦、性虐待、そして「望まぬ妊娠」――夢や妄想の中では既にビヨンセばりのスターとして歌手・女優業等で世界的な成功を収めている16歳の…

橋口亮輔監督『渚のシンドバッド』

『渚のシンドバッド』(Like Grains of Sand, 1995) 橋口亮輔 シークエンスが切り替わり、さあ物語の行方はどうなるのだと先走るわれわれを突き放すかのように、視界の端に光の存在を認めながらも、カメラは意図的にその光源からは逸らされ、判別不能な暗闇…

クリント・イーストウッド監督『荒野のストレンジャー』

『荒野のストレンジャー』(High Plains Drifter, 1973) クリント・イーストウッド これはとにかく、凄まじい作品である。脚本を書いたのは、ブラックスプロイテーションの代名詞ともいえる『黒いジャガー』シリーズのアーネスト・タイディマンという人らし…

モンテ・ヘルマン監督『旋風の中に馬を進めろ』『銃撃』

『旋風の中に馬を進めろ』(Ride in the Whirlwind, 1966) モンテ・ヘルマン *** 『銃撃』(The Shooting, 1967) モンテ・ヘルマン モンテ・ヘルマン監督の初期の西部劇、『旋風の中に馬を進めろ』と『銃撃』は、1本あたり7万5千ドルという過酷な予算で…