饒舌映画ブログ

誰もが、映画をめぐってひたすら饒舌であったときの快楽を知っている。同時に、その果てに待ち受けている徒労の実感をも体験している。映画によって言葉を根こそぎ奪われた瞬間の無上の甘美さをたぶん、あなたは知っているだろう。そして、その沈黙にいつまでも耐え続けることの息苦しさをも知っているに違いない。欠語と饒舌のいずれを選ぼうとも、救われたためしなどかつてありはしなかったのだ。――『リュミエール』誌 《創刊の辞》より

★★★

マシュー・ハイネマン監督『カルテル・ランド』

『カルテル・ランド』(Cartel Land, 2015)マシュー・ハイネマン (武器保有権) 規律ある民兵団は、自由な国家の安全にとって必要であるから、国民が武器を保有し携行する権利は、 侵してはならない。 ――アメリカ合衆国憲法修正第2条 機能しない「法の支配…

ジャ・ジャンクー監督『山河ノスタルジア』

『山河ノスタルジア』(Mountains May Depart, 2015)ジャ・ジャンクー 決して傑出した内容ではないものの、だからと言って観る者を極端に苛立たせることもない、穏当と言えば穏当な作品をしかし、現代最高の映画作家のひとり、ジャ・ジャンクーが何らかの思…

北野武監督『龍三と七人の子分たち』

『龍三と七人の子分たち』(2015) 北野武 それが何かの役に立てば「個性」と呼ばれ、何の役にも立たぬどころかやがて世間様に害を及ぼすようになれば「老害」と呼ばれるであろう、個に属する一定の傾向のようなもの。任侠映画の、北野映画の、あるいは超高…

ジョナサン・グレイザー監督『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』

『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(Under The Skin, 2013)ジョナサン・グレイザー 「ずいぶんとまあ、批評家受けしそうな映画だ」というのが、この『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』を見終わったあとに、日本各地の映画愛好家たち――『アンダー・ザ・スキ…