饒舌映画ブログ

誰もが、映画をめぐってひたすら饒舌であったときの快楽を知っている。同時に、その果てに待ち受けている徒労の実感をも体験している。映画によって言葉を根こそぎ奪われた瞬間の無上の甘美さをたぶん、あなたは知っているだろう。そして、その沈黙にいつまでも耐え続けることの息苦しさをも知っているに違いない。欠語と饒舌のいずれを選ぼうとも、救われたためしなどかつてありはしなかったのだ。――『リュミエール』誌 《創刊の辞》より

【月報】Filmarks – May / June 2016(+月間アクセス・ランキング)

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 「とりあえず押さえておかなくちゃ」的な話題作を真面目に追いかけていたら、少し疲れてしまった。別に、興味がないなら最初から観なければいいのだけど、なんとなく、義務感に負けてしまった作品がいくつかあった。『レヴェナント: 蘇えりし者』なんて、文字通りの意味で観ようが観まいがどうでもいい作品だろう。それが、映画を観る時間を取り戻した反面、5月に陥ってしまったジレンマというか、意味のない疲労だった。

 とは言え、女子に「観てみたいんだけど」と言われれば「もう観たから俺はいいや~」とは言えない性分で、『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』を吹き替えと字幕で1回ずつ、計2回も観たのが多分、いけなかったのだ。その成果は、マシュー・ハイネマン監督の衝撃的な(と同時に、とても作為的な)ドキュメンタリー映画『カルテル・ランド』のレビュー内の、ほんの数行分に反映されているので、お情けでいいので見つけてみて欲しい。

 とまあ、そんなこんなで、この2ヶ月のうちに鑑賞したのは、以下の40作弱。映画館、レンタル/セルのDVDなど形式を問わず、特に良かったものを赤字にしてあるが、ぶっちゃけ、話題の新作を入念に(半ば義務的に)チェックしようが、10本に1本くらいの割合で満足できれば御の字、というのが実情なので、当面の間、古典巡りも再開していく必要がありそうだ。最後の方にチャップリンが入っているのは、つまり、そういうこと。 

 

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【劇場】

『レヴェナント: 蘇えりし者』(The Revenant, 2015)アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

『ボーダーライン』(Sicario, 2015)ドゥニ・ヴィルヌーヴ

『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』(Captain America: Civil War, 2016)ルッソ兄弟

『海よりもまだ深く』(After the Storm, 2016)是枝裕和

『さざなみ』(45 Years, 2015)アンドリュー・ヘイ

『山河ノスタルジア』(Mountains May Depart, 2015)ジャ・ジャンクー

ヘイル、シーザー!』(Hail, Caesar!, 2016)コーエン兄弟

デッドプール』(Deadpool, 2016)ティム・ミラー

10 クローバーフィールド・レーン』(10 Cloverfield Lane, 2016)ダン・トラクテンバーグ

 

【DVD】

キャプテン・アメリカ / ザ・ファースト・アベンジャー』(Captain America: The First Avenger, 2011)ジョー・ジョンストン

ミラーズ・クロッシング』(Miller's Crossing, 1990)コーエン兄弟

バートン・フィンク』(Barton Fink, 1991)コーエン兄弟

塔の上のラプンツェル』(Tangled, 2010)バイロン・ハワード / ネイサン・グレノ

赤ちゃん泥棒』(Raising Arizona, 1987)コーエン兄弟

『ラストデイズ』(Last Days, 2005)ガス・ヴァン・サント

『FRANK -フランク-』(Frank, 2014)レニー・アブラハムソン

バーン・アフター・リーディング』(Burn After Reading, 2008)コーエン兄弟

バケモノの子』(The Boy and the Beast, 2015)細田守

ブリッジ・オブ・スパイ』(Bridge of Spies, 2015)スティーヴン・スピルバーグ

ミッドナイト・イン・パリ』(Midnight in Paris, 2011)ウディ・アレン

『靴みがき』(Sciuscia, 1946)ヴィットリオ・デ・シーカ

イゴールの約束』(La Promesse, 1996)ダルデンヌ兄弟

ロゼッタ』(Rosetta, 1999)ダルデンヌ兄弟

息子のまなざし』(Le fils, 2002)ダルデンヌ兄弟

『ある子供』(L'Enfant, 2005)ダルデンヌ兄弟

『ロルナの祈り』(Le Silence de Lorna, 2008)ダルデンヌ兄弟

『少年と自転車』(Le gamin au vélo, 2011)ダルデンヌ兄弟

『ララミーから来た男』(The Man from Laramie, 1955)アンソニー・マン

『ミニー・ゲッツの秘密』(The Diary of a Teenage Girl, 2015)マリエル・ヘラー

XYZマーダーズ』(Crimewave, 1985)サム・ライミ

『クラッシュ』(Crash, 2004)ポール・ハギス

『マンモス 世界最大のSNSを創った男』(Mammoth, 2009)ルーカス・ムーディソン

『プラットホーム』(Platform, 2000)ジャ・ジャンクー

パニッシャー: ウォー・ゾーン』(Punisher: War Zone, 2008)レクシー・アレクサンダー

ロケッティア』(The Rocketeer, 1991)ジョー・ジョンストン

『127時間』(127 Hours, 2010)ダニー・ボイル

マルホランド・ドライブ』(Mulholland Dr., 2001)デヴィッド・リンチ

『ウェンディ&ルーシー』(Wendy and Lucy, 2008)ケリー・ライヒャルト

マルコヴィッチの穴』(Being John Malkovich, 1999)スパイク・ジョーンズ

ブラッド・シンプル』(Blood Simple., 1984)コーエン兄弟

『街の灯』(City Lights, 1931)チャールズ・チャップリン

『暗黒街の顔役』(Scarface, 1932)ハワード・ホークス

キングコング』(King Kong, 1933)メリアン・C・クーパー/アーネスト・B・シュードサック

『モダン・タイムス』(Modern Times, 1936)チャールズ・チャップリン

『オデッセイ』(The Martian, 2015)リドリー・スコット

『ワイルド・ギャンブル』(Mississippi Grind, 2015)アンナ・ボーデン/ライアン・フレック

『アクトレス~女たちの舞台~』(Clouds of Sils Maria, 2014)オリヴィエ・アサヤス

 

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 誰も読んでないだろうから最後にさらりと書いておきますが、2016年上半期のベスト3を思い付きで選ぶなら、『キャロル』、『さざなみ』、『ズートピア』です。次点で、『ロブスター』と『ブリッジ・オブ・スパイ』、という感じでしょうか(何かを忘れてる気もするけど、ひとまずは)。下半期は、また時間の取れ方がどうなるか、まったく読めないのですが、富田克也と空族の『バンコクナイツ』さえ観れれば全部OKになる気もしています。

 

 

【2016年5~6月のアクセス・ランキング】(上から1位→5位)

【News】エリック・ロメール監督特集上映『ロメールと女たち』

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 エリック・ロメールのフィルム(ではなく、デジタル・リマスター)が全国を回っている。すでに上映が終わっている角川シネマ有楽町以外の会場でかかるのは、以下の5作品。

 

・『海辺のポーリーヌ』(1983)

・『満月の夜』(1984)

・『緑の光線』(1985)

・『レネットとミラベル/四つの冒険』(1986)

・『友だちの恋人』(1987)

  

 

  エリック・ロメールは、実は名前しか知らなくて、「観たいんだけど、DVDでサクサク観る感じじゃないんだよな~」と思っていた人なので、デジタルとは言え個人的には僥倖に近い今回のレトロスペクティブ。『海辺のポーリーヌ』と『緑の光線』は絶対に観るつもり。ああ楽しみだ。

 なお、会場は以下のとおり。いずれも短期決戦となる模様。

 

《会場》

【上映終了】角川シネマ有楽町(東京)

【上映終了】名古屋シネマテーク(名古屋)

【7月9日~7月22日】下高井戸シネマ(東京)

【7月9日~7月22日】シネマ・ジャック&ベティ(横浜)

【7月30日~8月5日】シネマテークたかさき(高崎)

【8月13日~】シネ・リーブル梅田(大阪)

【8月20日~】シアターキノ(札幌)

【8月27日~】京都シネマ(京都)

【9月24日~】角川シネマ新宿(東京)

【近日】フォーラム仙台(仙台)

【近日】シネウインド(新潟)